シングルファザーの子育てブログ

双子の女の子を育てるシングルファザーの奮闘劇。

学級崩壊?・・前編

2月期が始まった。

2人とも毎日、元気に登校しているのだが、

家庭学習での莉緒のペースが落ちて来た。

今までは数分で終わらせた学校の宿題も終わっていない事が多くなっていた。

 

何か、原因でもあるのか?

それとなく学校の様子を訊いてみた。

すると・・・

「クラスで4人の子が、授業中に出歩いたり、暴れたりしていて気が散って勉強が出来ない」と言った。

 

「それで先生は注意しているの?」

「注意はするけど全然、言うことを聞かない」

 

更に、「死ね!」「殺すぞ!」と先生に対して暴言を吐くようだ。

 

先生は30代前半の女の先生。

 

「うーん・・」と一言、言ったきり僕は考え込んでしまった。

 

「・・・これは、どのような状況なのか学校に確認してみるか!」と思った。

 

しかし、自分の勉強が出来ないのを他人のせいにしてはいけない!

それだけは莉緒にも注意しておいた。

 

 

翌日の夕方、学校へ電話をしてみた。

担任ではなく、校長先生へだ。

 

 

クラスで授業中に数人が出歩いたり、暴れたり、暴言を吐く児童がいるので、娘が気が散って勉強に集中出来ない。

先生が注意しても、どうにもならない。

それに「死ね」や「殺すぞ!」との言葉が子供の口から出ること自体、穏やかではない。

この、学級崩壊寸前の状態に学校はどのような対応をとっているのか?と校長へ直接、訊いてみたのです。

 

校長先生は最初に丁寧にお詫びをした。

そして、現状の対応に付いて説明をしてくれました。

「担任の他に時間の空いている教師を毎時間、クラスに送っている」とのこと。

「該当の児童の保護者には学校から連絡しているのですが・・なかなか改善出来ていないのが現状です」

 

僕は、少し厳しい注文を付けた

「2月期の授業参観迄に、学校職員全体で話し合って改善策を出して、ある程度の結果を出して下さい」

更に、「授業参観後にクラスの保護者全員に説明を行って下さい」とお願いしたのです。

 

 

しかし、数日後のある日。

通常なら週末に持ち帰る給食着を水曜日に持ち帰って来た。

「何故?」

学校からの手紙も添えて有った。

それには・・・授業中にクラスの問題児が

消火器を噴射したらしく、給食着をおいてある場所を直撃したらしい・・。

 

授業中に消火器噴射って・・・。

あまりの酷さに開いた口が塞がらなかった。

全く改善が出来ていない事に怒りさえ感じた。

でも、思ったのです。

これだけの事をすれば、その子供も少しは反省するだろう。いや、する筈だ。

この消火器事件が薬になればよいのだが・・。

 

 

そして、授業参観の日。

学校に到着して玄関に入ると、校長が待ち構えていた。

「この度はご迷惑をお掛けしまして」と謝って来たのです。

僕に謝ってもらっても困るのです。

迷惑を受けているのは真面目に勉強しょうとしている子供達だ。

それに謝罪なら問題児の保護者がするべきなのに!

 

僕は「今日は良く見せて頂きます」と校長に

伝え教室に向かった。

 

2年生の教室の周辺は騒がしい。

すると、莉緒が僕を見つけて来た。

隣には女の子。

「お父さん、紹介するね!・・親友のYちゃん」

Yちゃんは、しっかりした様子で活発そうな子。

「リーのお父さん?」

(莉緒はリーと呼ばれているらしい)

「リーは一番の友達で親友なんです」と僕に言った。

僕は、問題児の事でモヤモヤしていた頭が

スーっとした感じになった。。

「そーなんだ、莉緒をよろしくね!」とYちゃんに言った。

 

すると、今度は後ろから誰かが腰の辺りを

パンチしてきた。

振り向くと、真優だった。

「真優、今日は悪いけど2組を観るから、あまり1組は観られないよ」と言うと

「いいよ、観なくて」と言って教室に戻ろうとした。

僕は「真優、親友はいるの?」と訊いた。

「いねーよ」と笑いながら行ってしまった。

 

 

チャイムが鳴って授業が始まる。

問題の2組の教室の中に入った。

僕は事前に問題児の名前を訊いていた。

その内の2人は、ウチに何度も「遊べませんか?」と来た、あの子供だ。

あと2人は女の子と、リーダー格の消火器噴射の男の子。

 

教室には担任の他に、先生がもう1人。

それに保護者がたくさんいた。

 

授業が始まると、授業参観だと言うのに寝てる子がいる。(ある意味、凄い!)

他の3人は前を向かずに、好き勝手な事をやっている。・・すると応援の先生が注意している。

「この子達の親は来ているのだろうか?」と

僕は思った。

「自分の子供の態度を観てどう思うのだろうか?」と疑問に思った。

 

廊下に名簿があるので、廊下に出て観てみると、4人の内、3人の保護者は来ている。

廊下に1人のお母さんが立ってスマホをいじっていた。

顔を見てみると、あの寝ている子にそっくりだ!

「だよなぁ・・あれじゃ」と納得してしまったが、僕が親なら他の親がいても大声出して

自分の息子を怒るだろう。

お母さん、スマホをいじってる場合じゃないよ!

 

再び教室に戻って、授業の様子を眺めていたのだが、その時に気がついた。

それも今回の一番の重要な問題だ!

 

               「授業がつまらない」

 

それだ!

 

親の僕が聴いていてもつまらないのが解る。

 

これは、自分が学生時代でも経験がある。

いや、誰でも経験がある筈だ。

 

 「真面目な先生の授業ほど、つまらない」

 

先生は一生懸命なのだが、どうやら子供には伝わっていない。

授業が真面目過ぎるのだ。

高学年や中学生なら良いだろうが、

低学年の子供にとっては退屈だろう・・。

 

なんだか、この学級崩壊の原因が見えて来たような気がした。

 

 

そんな時、隣のクラス(1組)からは笑い声が聴こえて来た。

 

気になって1組に行ってみた。

なんだか授業が楽しそうだ。

寝ている子もいない、全員が授業に参加しているのが良く分かった。

それに保護者の無駄話も無い。

 

どうして、同じ学校の同じ学年で、こんなに違うのだろうか?

不思議に思えた。

 

授業が終わる。

次は学級懇談会だ。

 

言うべきことは言わなければいけない。

 

                                               つづく
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