２学期が始まった。
２学期と言えば運動会がある。
学校では練習が始まるのだろう。
僕は子供の頃、運動会が一年間の行事の中で最も嫌いだった。
運動会の練習は、もっと嫌だった。
勉強をしている方がマシと思えたくらいだ。
何故なら・・僕は身体が大きく目立つから。
フォークダンス、行進、の練習の時に先生は
「お前は大きいから目立つ、きちんと出来ないと恥ずかしいぞ！」と何回も言われた。
それも６年間ずーっとだ。
好きで大きい身体になった訳じゃないのに・・。強制的にやらされる練習ほど嫌なものはなかったなぁ。
昭和時代の運動会の練習はキツかった。出来るまで帰してもらえなかったくらいだから、良い思い出なんてまるで無い。
中学生になると１度も運動会には出なかった。勿論、練習のある日は早退。
入場行進の練習が軍国主義の名残りのように思えて大嫌いだった。
運動会の日は当然、行かない。
・・と言うか、「行って来ます！」と家から出掛けるが、友達の家に直行だ。
すると数人仲間が集まる。
やることと言えば、ピアノやギターを適当に弾いて「先生の悪口の歌」なんか作って喜んでいた。馬鹿です。(笑)
夕方、家に帰ると母が
「お前、今日は何処に行っていた！」と言う
僕「運動会じゃん」
母「嘘つけ！、学校から電話があったぞ！」
それでも僕は「運動会だよ！」
母「お前、何処で運動会やってたんだ？」
僕「あぁ、Oん家で」(笑)
すると母は、呆れて大笑い。
こんな昔の話は自分の子供には出来ませんね！(苦笑)
娘の学校でも練習が始まったようだ。
家に帰って来ても「何かの踊り？」を練習している。
「練習は楽しい？」と訊くと・・
2人とも「うん。楽しいよ！」
・・「昔と違うんだねぇ」・・と呟いてしまった。
徒競走の練習が有った日には
「今日は２位だった・・」
「今日は１位だったよ！」と結果を教えてくれる。
ただ、2人ともリレーの選手に選ばれなかったのが悔しかったようだ。
「じゃあ、徒競走の時にリレーの選手に勝てばいいじゃん！」と僕は言った。
更に「練習で１位になるのだから大丈夫さ！ブッチギリで１位になるよ！」と自信を持たせたのです。
今の段階では差がない。
自信を持たせれば必ず結果は出るものです。
そんな会話が何日が続き、いよいよ運動会の前日となった。
お弁当の食材を買ってきて、仕込みをする。
やっぱり運動会は唐揚げが定番かな？
明日は早起きしなければ・・
場所取りもあるし・・と思ったのだが
場所を取る必要が有るのだろうか？
家族総出で応援に行くのなら、良い場所も必要だが、ウチは僕一人。
別に、頑張って場所を取る必要もないだろう
・・場所取りはヤメ。
しかも、明日の天気予報は雨。
どうなることやら。
翌日は雨だった。
早々と学校から中止のメールが来た。
内心、ホッとした。
心の中で、八代亜紀さんの唄の歌詞の
「雨、雨、降れ降れもっと降れ～」が響く。
明日も中止にならないかなぁ～と思った。
そうすれば平日の運動会。
給食も出るし、子供はそれを教室で食べる。
僕のような親には好都合だ。
そして願いは叶った。
翌日もグランドコンディションが悪くて
延期となって火曜日の開催となった。
お弁当もなし、荷物もない。
身軽になって楽なものだ。
そして天気も最高で暑いくらいだ。
運動会が始まり入場行進。
「ん？、違うぞ！」
今の時代の行進はラフな感じだ。
「うーん、良いんじゃないの？」と感心。
競技ごとの入場ても、何でも、
昔ほど、ビシッとしていない。
(賛否両論有るかもしれませんが、僕はこんな感じで良いと思うのです。)
そして徒競走が始まる。
出番待ちの１年生の所に近づいて、我が子を発見！・・したつもりでしたが。
「おい！１等賞だぞ！」と肩を叩いて気合いを入れてやったら・・
・・全然、違う子！！
「あれっ！、ご、こめんね」
自分の子供2人を見失ってしまった。
しかし、あの子は驚いたろうなぁ、
知らない人が、いきなり１等賞だぞ！とか
言ってくるんだもんなぁ・・。
そしてスタート位置に全員並んでいる。
女子からのスタートで、2人も別々に走り
結果は、2人とも１位。頑張りましたね！
ダンスも笑顔一杯で楽しさが伝わりました。
2人揃って１位でした。
2人とも楽しそうな笑顔です。
そして気がついたのは、どの学年も楽しんでいる様子が良く伝わった。
・・やっぱり昔とは違うなぁ！と感じた。
学校によっては(中学だっかな？)は生徒が
運動会を企画するようです。
自分達で作る運動会だそうです。
素晴らしいことですね！
もし、僕が今の時代の子だったら
運動会が大嫌い！とは言わないでしょう。
そんなことを思った運動会でした。
つづく
