シングルファザーの子育てブログ

双子の女の子を育てるシングルファザーの奮闘劇。

初、家庭訪問。

その日は朝からずーっと掃除をしていた。

普段よりも念入りに徹底的に綺麗にした。

そう、家庭訪問の日なのだ。

 

どうしてもシングルファザーのイメージとしては、部屋の中が散らかり放題。流しには洗ってないお皿が山積み。テレビドラマに良く描かれる光景だ。

そんなイメージを持っている人が多いでしょう。別に我が家が散らかった家でも想像通りと思うかもしれない。

しかし、僕はそんなふうに思われたくなかった。絶対にそれは嫌だ。

家の中の掃除が終わると、今度は外に出て草刈りまでした。

2人の担任の先生は両方とも女性だ。

きっと隅々まで見るに違い無いと思って、気合いを入れて綺麗にした。

時計を見ると正午を過ぎていた。

 

簡単に昼食を済ませて、先生がやって来る時間を待っていた。

 

なんたって人生初だ。

次第に緊張してくる。

 

「家庭訪問かぁ~・・そう言えば!!」

 

僕は自分が小学生の頃の家庭訪問を思い出していた。あれは小学生5年生の時。

学校から遠かった僕は先生の車に乗せてもらい家に帰った。

そして、そのまま家庭訪問という具合だ。

当時、犬を飼っていたのだが、先生は犬が好きなのか、家に着くなり「よーし、よし、よし。」と犬の頭を撫でていた。

すると、「おい。阿久田、この犬~何て名前だ?」と聞いて来た。

僕は「幸三郎です。」と言った。

(本当は幸三郎は父の名前)

「おーっ、幸三郎かぁ・・」

「人間の名前みたいだなぁ」

「よーし、幸三郎、お手!」

「おっ!偉いぞ!幸三郎!!」

(庭で何度も幸三郎と言っている先生に気が付き母が玄関から外に出て来た。)

先生は「いやぁ~、幸三郎と遊んでしまって・・・」

母は「はぁ?・・幸三郎はこの子の父の名前ですが・・」

僕は腹が痛くなる程、笑ってしまった。

先生も親の前で僕を叱る事が出来ずに、赤面して「あ、く、たぁ~」と言っただけだった。

面白かったなぁ・・次の日、学校で凄く怒られたけどね!

 

そんな昔を思い出していた。

 

すると、玄関のチャイムが鳴る

「!・・速いんじゃないの?」

と思い玄関を開けると・・宅急便だった。(笑)

子供の問題集を注文して有ったので、それの

配達だったのだ。

小学3年、4年生用の算数の問題集が4冊。

それをテーブルに置いて見ていた。

 

しばらくして、またチャイムが鳴った。

「今度は先生だ!」と思って、問題集をそのままに玄関に出てしまった。

 

1組、長女の莉緒のクラスの先生だ。

ベテランの先生で、ハキハキしている性格の先生だ。

玄関で簡単に自己紹介をお互い済ませて

「どうぞ、どうぞ」と家の中に招いた。

先生は家の中を見渡して「綺麗になっていますね~」と言った。

(それは、そうでしょ?   先程まで貴方のために掃除をしていたのだから・・)と心の中で

呟いた。(笑)

 

すると、テーブルの上を見て先生・・

(あっ!   マズイ、さっき届いた問題集を片付けるのを忘れてしまった)

「あれっ?   これは上のお子さんの???」

「・・・いえいえ。2人のです」と僕。

すると先生は微笑みながら

「そーなんですね!  先取り学習をしているのですか?」

「はい。やっていますよ!」

(本当は家庭学習の内容は話したくなかったのてすが・・。)

「それは凄いですね!」と言ってから

「でも、それで100点をテストで取れるとは限りませんよ!」とピシャリと言って来た。

「去年もいたのです。先取り学習をしていた子が!   ですが、その子は最後まで100点を取れなかったのです」

(それは他所の子の問題なのに・・)

そこで僕は・・「先生。ウチの子は目の前の100点に拘っていません。もっと先の目標に向かって頑張っているんです」と言った。

すると、先生は少し不満顔になった。

「中学受験ですか?」と先生。

僕は「それは本人次第なので分かりませんが、今は学習習慣を身に付けさせているだけです」。

「1日の学習時間はどのくらいですか?」と

質問してきた。

 

(僕は時間は特に気にしていない。時間を計るのは100マス計算くらいだ。それに1日○時間の学習とか意味が無いと思っている。要は

理解の程度。理解出来れば直ぐに終わり。出来なければ出来るまで!それだけなのです。)

 

この質問には「出来るまでですね!」と答えるしかなかった。

 

やはり、学校の先生にとっては先取り学習をしていると、授業がやりずらいのかも知れない。

でも、それはウチの子だけに限った話ではない。やってる子はやっている。

ウチの子の学校では少ないのかも知れないが・・。

余りにも学習とは縁の無さそうなイメージの父親が「教育パパ」だった事に先生は驚いたかも知れない(笑)。

 

1組の先生との時間も終わり、30分後には

2組の先生がやって来る。

先程までの問題集を片付けた。

今度は若い先生だ。何故か緊張する(笑)。

 

ピンポーン🎵

やって来ました。2組、次女の真優のクラスの先生。

「失礼します」と入って来て、仏壇の写真を見て「真優さんのお母さんですね」と言って

お線香をあげて下さいました。

そして、学校での様子は「とにかく、やることが速くて驚いている」と先生。

確かに真優は速い。それは家庭学習で分かっているのだが・・。(字が汚ない)

「でも、先生。字がとても汚くて乱暴ですよね?」

すると笑いながら先生は「大丈夫!やがて綺麗な字を書くようになりますよ!」と言ったのだが、僕には全くそんなふうには思えなかった。

「この調子で頑張っていれば心配ありませんよ!」と言われホッとしたのでした。

 

2人の先生の家庭訪問が終わって、1人でお茶を飲んでいた。

「あれを聞けばよかった!」

「あっ!あれを聞き忘れた・・」なんて後になって気になる事も有ったのですが、まぁ

良いでしょう!

悪い事は何も言われなかったし、OKかな?

 

2人の先生には伝えた事がありました。

「父1人で娘を育てているので、何かと気が付かない事もあると思います。何か有りましたらいつでもご連絡ください」と。

それが一番の不器用な父親からのお願いでした。

 

 

追記・・・先取り学習をしていても

                    テストは100点満点が続きまし                             た。

                                                つづく