小学校に入学して1年が過ぎようとしていた。この1年間で自転車に乗れるようになったり、仲の良い友達が出来たり、学習も進んだ。・・先ずは合格点。大変良く頑張ったと思う。
たが、2人とも問題があった。
何度、注意してもやってしまう。
それは・・・「忘れ物」だ。
学校への提出物は僕がチェックしているので
忘れることはないのだが、家に持ち帰る物を
チョクチョク忘れるのだ。
例えば・・上着、水筒、筆箱、はいつものことで上履き、傘、家庭学習のテキスト・・数えたらキリがない。傘なんて一人で3本も忘れてしまうのだ。
教科書は置き勉をしているので良いのだけれど、家庭学習のテキストを忘れて来られると
勉強が出来ないのだ。そんな時は翌日は罰で
2日分をやらなくてはならない。
それに、今の子は放課後に学童に直行するので、学校に忘れたのか?学童に忘れたのか?
ややこしい事も多々あった。
また、時には人の物を持って帰ってしまった事も何度かあった。
「体操着、給食着」だ。
洗濯のために取り出すと、袋の中から他所の子供の物が出てくるから困ったものだ。
持ち帰えられた子供の親も心配しているだろう?・・しかし、今は連絡が出来ないのだ。
昔は連絡網なるものが有って、クラスの子供の自宅電話番号が配られたものだが、今は個人情報の都合で配られる事は無い。
学校に連絡出来れば良いのだが、遅い時間になると誰もいない。
・・・仕方なく洗濯して月曜日に持たせたものです。しかも給食着だとアイロン掛けもしなければならない。
「頼むからお父さんの仕事を増やさないでくれ~」と言ったものです。
最大の忘れ物は学年末の「通知票」。
これを忘れた経験がある人は少ないでしょう?
終業式の日、親なら子供の通知票を見るのが楽しみなものです。
・・・が、ない。???
「おい!、お前は1年生が修了出来なかったのか?」
「えっ!なんで?」と不思議そうな顔の真優。
「通知票は?」
「・・・忘れた!」
「何処に?・・学校?学童?」
「学校かな・・」と不安そうになる。
まだ時間は早い。仕方ないので学校まで取りに行った。
僕は玄関のところで「自分で取りに行きなさい」と言うと、モジモジしている。
するとそこにベテランの男の先生が来た。
「どうしたの?」と訊いてきた。
僕は「通知票を忘れてしまったようで・・」
すると先生は「じゃあ、先生と取りに行こう」と言って真優の手を引いて行った。
数分後、「有りましたよ!」と先生と真優が戻ってきた。
「ありがとうございました」と言い学校を後にしたのでした。
帰りに真優に「優しそうな先生だけど、偉い先生なの?」と訊いた。
余りにもベテランそうで、貫禄が有るように見えたからだ。
すると、「3年生の先生だよ」と真優。
凄く意外に感じたのだった。
しかし、その先生は4月から通知票を忘れた真優のクラスの担任となるのでした。
まさに、ご縁ですね!
この年の忘れ物チャンピオンは
「学年末の通知票」が決定打となり
真優の優勝でした。(笑)
そして間もなく2年生となります。
今度は良いことでチャンピオンになって欲しいと願う父でした。
つづく