シングルファザーの子育てブログ

双子の女の子を育てるシングルファザーの奮闘劇。

近づくお別れ。

もうすぐお別れの時が迫っている。


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小さな軽自動車、

ダイハツ エッセ。

 

身長180Cm超えの僕が乗るには

決して、快適とは言えない車だ。

 

実は・・この車は妻の車だったのです。

 

妻が亡くなって、

暫くの間、自分の車と2台所有していたのだが・・・・。

一人で2台所有していても、

どちらかは乗らない。

 

どちらかを手放さなければならないと 思い、僕は妻の思い出の残っている、この小さな車を残す事にした。

 

決して僕なら選ばないミントブルーの車体。妻の好きな色だったが自分が乗るには少し恥ずかしいような気がしたが、直ぐにそんな気持ちも無くなった。 

 

毎日、保育園への送り迎え。

通勤、買い物、とにかく忙し過ぎて、

車がどーの、こーのと言ってる間も無かったものだった。

 

時には、そんな日々が嫌になって

全てを投げ出したくなったりもしたが、

この車に乗っていると、いつも妻に見られているような気がして、間違った事は出来なかった。

 

なんと言うか・・車に妻が一緒に乗っているような気がした。

それは、今でも変わらない。

 

 

後部座席にチャイルドシートを2つ付けていた頃から、この車は子供達の成長を見てきた。

座席にお菓子やジュースをこぼしたりしてシートは汚れてしまっているが・・。

 

 

一度、怖い思いもした。

 

フロアにオートマのシフトレバーが

あるのだが、走行中に次女がレバーを蹴ってバックギアに入ってしまった。

すると、エンジンが強制停止したのだが、前方には信号待ちの車が停車していた。

慌ててブレーキを踏むがエンジンが停止しているのでブレーキが効かない!

「危ない!ぶつかる!」

咄嗟にサイドブレーキを引いて

車は停車したが、あと少しで

衝突するところだった。

 

・・きっと、妻の見えない力が助けてくれたのだろう。と思えた。

 

 

その後も、事故も故障も無く

毎日の足として走ってくれたのだが、

最近は走行中軋む音がしてきたり、

エンジンのパッキンの劣化により

オイルが滲み出てきた。

それに、夏の豪雨の時に、

フロントガラスの継ぎ目から、

なんと、雨漏りが! (これには驚いた!)

 

既に、走行距離は12万kmを超えている。維持するにもお金が掛かる時期だ。

「そろそろ買い替えかな?」

以前から、次は軽バンにしようと 

ディーラーに行って見積もりをして貰っていた。

 

 

先日、スモールライトの球が切れた。

交換のためにディーラーに行くと、

営業のSさんが軽バンを勧めてきた。

(このSさんとは長い付き合い。彼が新入社員の頃からだ。とても親切で気配りの出来る営業マンだ。)

・・・しかし、軽バンはウチの子供には不評だ。それは貨物なので後ろの窓が開かないのだ!

 

そこで、乗用タイプのエコカーの見積りを出して貰った。

「軽バンよりも安い!」

そして、エッセも下取りしてくれるようで、思っていたよりも高価格だ。

「これに決めようかな?」と思いがけた時、Sさんは更に店長に交渉して値引きすると言う。

 

心配なのは、今は半導体が不足している。納車が1年先なんて話をよく耳にする。果たして、納車時期は何時になるのか?

 

すると、Sさんはパソコンで調べ、

「年内には納車になりますよ!」

 

その言葉に・・・購入を決めた!

 

Sさんは店長に交渉して

期待以上の値引きをしてくれた。

しかも、スタッドレスタイヤ

サービスしてくれた。

 

・・・やっぱり、長いお付き合いをすべきですね!

 

Sさんは、「奥様の思い出がたくさんの

エッセを手放すのは悲しいかも知れませんね!」と。

僕は・・・・、

「うん。最後の日は涙が・・・・・・・・。」

 

「でしょうね?」

 

「・・・んな訳ないでしょ!」と、

大笑い。

 

 

もう、亡くなって9年も過ぎると、

(薄情かと思われるかも知れないが)悲しみも無くなってくる。

故人の思い出を笑いながら話すことが

一番の供養だと思う。

それで、故人も安心するだろう。

 

 

妻の使っていたモノが

どんどん消えていく。

それは時の流れ。

 

でも、いつまでも消えないモノがある。

それは「思い出」だ。

 

次の車でも、

思い出となるものが

どんどん生まれて来るだろう。

 

 

エッセ最後の日は

感謝の気持ちを込めて

丁寧に洗ってあげようと思っている。

 

 

 

      ホントは少し、「さよなら」が寂しいですけどね!