シングルファザーの子育てブログ

双子の女の子を育てるシングルファザーの奮闘劇。

熱があるのに持久走

昔の親は・・と言うかウチの親は僕が小学生時代、少しの事では学校を休ませてくれなかった。

朝、体が怠くて熱を計ると37・4℃。

(今の親なら迷わず休ませるでしょう?)

それでも学校に行かせたものだ。

そのお陰で拗らせて肺炎になってしまった事もあった。小2の頃です。

 

特に父親は厳しくて、「学校を休みたい」と言うものなら「根性なしがっ!」と言われたものだ。

 

今の時代、いや、このコロナ騒動の中では

絶対に考えられない事だろう。

 

自分の嫌な思い出もあり、僕は2人の子供が

体調不良を訴えれば必ず休ませます。

(当たり前の事ですよね!)

 

でも、体調不良でも学校に行かせてしまった事が有ったのです。

それは「持久走大会」の日だったのてす。

 

「持久走大会」の数日前、学校では毎日練習していた。

学童から家に向かう車の中で、

「お父さん、莉緒は今日ね!練習で2位だったよ!」

「ほーっ、凄いね! 優勝が狙えるね!」

「うん。頑張るから見に来て!」と

とても張り切っていた。

優勝も狙える手応えも有ったのだろう。

「わかった!  見に行くよ!」と僕は約束したのだが・・。

 

「持久走大会」の当日の朝。

起きて来ると様子が変だ。

熱を計ると37・3℃だ!

「おい、おい、熱があるぞ!」

すると「大丈夫!」と言う。

「ダメだよ!今日は休みなさい」

その言葉を何回、言ったのだろうか?

「嫌だ!絶対に行く」と泣いている。

 

困ったなぁ・・。

学校からは検温の調査表が来ているし、

正直に書かなければマズイだろう。

 

「どうしても走りたいの?」と尋ねると

「うん」

・・・「じゃあ、気持ち悪くなったら走っちゃダメだよ! 」

「わかった」

「辛かったら先生に必ず言うんだよ」

・・黙って頷く莉緒。

 

これは、本当はやってはいけない事だけど

検温調査表には36・8℃と嘘を書いてしまった。

 

もしもの事を考え、出走時間より

かなり早く学校に行こう。

様子を見てマズイようなら止めさせようと思っていた。

 

真優にも言っておいた

「莉緒が調子悪そうだったら先生に言ってね!」と。

すると「莉緒は熱があっても走ると思うよ」

「だからそれを止めないと・・」

「無理だよ」

(さすがは双子、良くわかっています)

・・・だよねぇ。頑固だもんね。

 

心配だったけれど送り出して

僕は仕事に出掛けた。

 

会社に着いてから上司に

娘の持久走大会なので途中で学校に行くことを伝えると

「おっ!速いんだねぇ」と言われた。

僕はすかさず

「違うんです。熱があるのに行ってしまったんです」と言うと

「え、えーっ!」と驚かれて

「根性ある子だねぇ・・」と言われてしまった。

「はぁ~」っとため息一つ。

 

 

学校に着くと校庭に1年生が出ていた。

僕は直ぐに駆け寄り莉緒に言葉を掛けた。

「大丈夫?走れるのか?」

すると「大丈夫だよ!」

もう、これではどんなに止めても走るだろう

「じゃあ、頑張れ!」と言ったものの心配だ。

 

何もする事が出来ない僕は、校庭をブラブラ歩きながら不安を紛わらしていた。

すると・・意外と声を掛けられるのです。

「莉緒ちゃん、速いんですって!」とか

「莉緒ちゃんと真優ちゃん、どっちが速いんですか?」などなど。

きっとクラスメイトのお母さんだろうが

誰だか分からないのです。(笑)

 

適当に話を合わせていると

1年生女子のスタートだ!

193cmの校長先生が大きな声で

「ヨーイッ」BANG!!

 

一斉にスタートしたが、やはり遅れている。

5番手ぐらいか?

真優も真ん中よりも遅れている。

「頑張れーっ、頑張れーっ」とみんなが声援を送っている。

僕も負けじと声援を送った。

・・しかし、どんどんペースダウンしている

足も重そうだ。

「もう少しだー!   頑張れー」と僕は大きな声で応援したが・・。

 

 

何とか無事にゴールする事が出来た。

僕は直ぐに駆け寄った。

「大丈夫か?」

息を切らせながら頷く莉緒。

結果は11位だった。

熱がある中で良く頑張った。

僕は「頑張ったね!」と何回も褒めていた。

・・・すると、誰かが僕をツンツンする。

見ると真優だった。

「どうだった?」と訊くと

「見てなかったでしょ?」

彼女は莉緒の後ろの後ろ。13位だった。

(そうかぁ・・何人か抜いたのかぁ。

気がつかなかった・・。)


f:id:akutatatsu:20200515232634j:image熱のある中頑張った莉緒。


f:id:akutatatsu:20200515232840j:image走った後も余裕の真優。

 

残念ながら2人とも入賞は出来なかった。

だけど、本当に良く頑張った。

 

 

家に帰ってから莉緒の熱を計ると平熱まで

下がっていた。

今日は悔しかったようで

「明日の朝から練習する」と言い出した。

「お父さんも一緒に走って!」と言っていたので、「よし!いいだろう。今から来年の練習をすれば優勝出来るぞ!」

明日の朝から3人で練習だ!

 

 

次の朝は冷え込みが強かった。

朝、6時に「おい!走るぞー」と2人を起こすと・・・。

「ん?   やっぱ、やらなーい」

 

やっぱり『根性なし』だった・・(笑)

 

                                                        つづく