シングルファザーの子育てブログ

双子の女の子を育てるシングルファザーの奮闘劇。

三本の杉の木

子供の頃の話。

 

僕が育ったのは栃木の田舎町。

夕日が凄く綺麗だったのを覚えている。

オレンジ色の夕日が眼前の三本の杉の木を照らす。

 

母は台所で夕食の支度。

鍋から蒸気と共に食欲をそそる

いい匂いが家の中を覆う。

その頃、父が仕事を終わらせ、

仕事着のまま、いつもの食卓の

自分の指定席に腰を下ろす。

父は、朝読み残した新聞に目を通して

いた。

 

やがて、食卓には

質素ながらも

湯気を立てた料理が並び、

父は、コップ酒を目を細めながら啜る。

 

何気ない1日の終わり。

 

そんな当たり前のような、

いつもの光景を眺めていると

妙な安心感が湧いて来たものだ。

 

そんな幼い頃の記憶が

蘇ることが最近は多い。

 

きっと、僕は幸せだったのだろう。

 

 

 

そんな僕も

当時の父の年齢を超えた。

 

 

今の自分の年齢が自分では

ないような、なんとも妙な感覚を

いつも感じでいる。

 

そして、何気ない毎日を

過している。

 

そんな、自分を子供達は見て、

どう思っているのだろうか?

 

あの時の僕のように、

当たり前のような安心感を 

感じでいるのだろうか?

 

 

 

僕は、知らず知らずのうちに

父の真似をしているようだ。

 

しかし、真似は真似。

 

時々、苦難にぶち当たると、

「こんな時、父ならどうしていただろう?」と思うことが最近は多い。 

 

僕は、「だって、あの頃よりも今の方が大変なんだ!」と心の中で父に言っているのだ。

 

「それは泣き言」

 

・・・そんなふうに父なら僕に言うだろう。

いや、そう言って欲しい。

 

 

どんな時代になっても

家族を安心させる 

 

言葉ては無い。

 

父親とは、

子供に生き様を示すこと。

   

 

久しぶりに 

あの三本の大きな杉の木を見たくなった。

 


f:id:akutatatsu:20230508213958j:image