シングルファザーの子育てブログ

双子の女の子を育てるシングルファザーの奮闘劇。

僕の病気騒動と再就職

退職して、無職となった。

あんなに忙しかった朝が嘘のようだ。

 

朝、子供達を保育園に送ってひとまず帰宅。

ゆっくりと隅々まで掃除をして、洗濯物を干す。・・まるで専業主婦のようだ。

 

不思議と「早く仕事を探さなければ」と言う

焦りは全くなく。今まで忙しくて出来なかった事をこなす毎日だった。

 

 

そんな、ある日の事。

気晴らしも兼ねて東京まで出掛けた。

「冬物の子供服を買わなければ」と思うくらいで、特に目的もない。

ただ、久しぶりに一人で出掛けたくなっただけだった。

近くの駅から電車に乗って、車窓の風景を眺めていた。

(今朝、起きた時から)・・少し頭が痛い。

この時は余り気にしていなかった。

 

 

美術展を見て回り遅めのランチ。

そこで、開放感からかビールを飲んだのがいけなかった。

店を出て歩いていると、やがて徐々に頭痛が酷くなってきた。

階段の登り降りの多い東京。

何故か目がチカチカしてきた。

・・調子が悪い中、子供の服を買って

早めに帰ることにした。

 

帰りの電車の中で頭痛が激しくなる。

まるで、頭にも心臓が付いたみたいに、脈を打つ度に痛む。胃も気持ちが悪い。

食べたものが、そのまま消化されていないようだ。・・吐気もしてきた。

 

初めは、何か悪いモノでも食べてしまったのか?とも思っていたのだが、何やら違う。

じっと目を瞑っていた。

家の近くの駅に着いた頃にはフラフラになっていた。・・更に具合が悪くなって来ているのが自分でも分かる。

 

家に着いて直ぐに横になったが

激しい頭痛と吐き気は収まらない。

(3回ほど吐いた)

 

「これは、病院に行かなければマズイ」

しかも、保育園に子供達を迎えに行く時間が迫っている。

「どうしょう?」

こんな状態じゃあ、子供達が帰って来ても何も出来ない。・・本当に困った。

そこで、僕は藁にもすがる気持ちで週一でウチに来て掃除等の支援をしている小木さん(仮名)に電話をした。

 

「すみません、身体の具合がおかしくなってしまって・・あの・・来て頂けませんか?」

「どうしたんですか?」

「頭痛と吐気が収まらなくて・・」

「お子さんは?」

「これから迎えに行かなくちゃなりません」

「大丈夫?」

「なんとか・・」

「分かりました。これから家の用意を済ませてから伺います。その間に保育園に迎えに行って下さい。」

 

(こんなやり取りだった気がします。)

 

 

僕は、この最悪な状態で車を運転し迎えにに行った。運転中も襲って来る「吐気」。

保育園について車のルームミラーで顔を見ると目は涙目。小刻みに震える唇。

まるで、何処かの病院から抜け出して来た人のようだった。

 

「回りの人と顔を会わせたくない。」と思い

僕はパーカーのフードをかぶり、うつむきながら子供のもとへ行った。

先生に一言「お世話になりました」と言い

子供に「帰るよ」と小さな声で言った。

(すると、こんな時に限って・・)

先生か1日の出来事を笑顔で話してくる。

「調子が悪いから後で」とは言えずに・・。

吐きそうなのを堪えながら、無理に作った笑顔で聴いていたのでした。

 

車で家に向かう途中、子供達は僕の異変に気が付く。

「パパー、大丈夫?」と言われ、

「あぁ、大丈夫だけどね。今日はパパ病気みたいだからお家で小木さんと留守番できる?」

(子供達は小木さんが大好きだ)

「うん。いいよ」と言ってくれてホッとした。

「一緒に行く~」なんて言われたら困ったものだ。

 

家に着くと小木さんは夕方の忙しい時間にも関わらず、来てくださっていた。

子供達を預け、僕は病院に向かった。

 

病院の時間外診療。

今朝からの様子や、食べたものを伝えた。

「とにかく、これでなんとかなる」と安堵の気持ちになったのだが・・。

色々と検査をしたのだが、どうやら食中毒では無いらしい・・?。

(この時の最高血圧は200を越えていた!)

点滴をしながら時間ばかりが気になる。

すると医師が  「明日、また検査を行いたいので、今日はこのまま入院して欲しい」と・・

(予想外の言葉に驚く自分)

「いや、それは絶対に無理た!」

入院なんてしたら子供達はどうなる?

僕は自分の今の生活の状況を必死に伝え、入院を断った。

困った表情の医師は、「では、明日一番で必ず来て下さい」と言った。

 

「こんなに最悪な状態なんだ。来るな!と言われたって来るよ!」と思った。

 

やがて点滴も終わり、痛み止めと吐気止めの薬を受け取り家路に就いた。

もう、午後9時を過ぎている。

 

家に戻ると子供達はまだ起きていて、小木さんと遊んでいた。

子供に食事を与えてくれていた。

この時は本当に感謝した。もし、小木さんが来てくれなかったら・・と思うと病院どころではなかった筈だ。有り難かった。

「また、何かあったら連絡して!」と言って小木さんは帰って行った。

 

 

この日の夜も痛みと吐気で眠れなかった。

子供達は横でスヤスヤ眠っている。

・・明日の検査の結果、命に関わる重い病だったら!

などと悪いことも頭を過った。

しかし、この子達のためにも、ここで病に倒れる訳にはいかない。

祈るような気持ちで一夜を過ごした。

 

翌朝も最悪なだった。

子供に朝食を食べさせている間も止まらない

痛みと吐気。

身体にムチを打ちながら保育園へ送って、病院に直行した。

胃の内視鏡検査、MRI検査、等を行ったのだが・・異常が無い。

「なんなんだ?この病」 と不安になる。

 

結局、医師から告げられた病名は・・・

・・「偏頭痛」 だった。

「様子を見てみましょう」  と。

 

薬を処方してもらい、ロビーでボーッとしていると・・誰かに肩を叩かれハッとする。

「どうした?」

以前、研修会等で何度も一緒になったことがある顔見知りの同業の社長だった。

定期的に通院しているそうだ。

 

色々と話しているうちに社長が「今、どこ行ってるの?」と聴いてきた。

一瞬、言葉に詰まりながら

「会社を辞めたばかりなんです」と言うと・・

「体調が戻ったらウチに来る?」と行ってきた。

なんでも、設備を増やしたので管理者が欲しい。それで経験者を募集していたのだが、なかなか「これは!」と思う人が来ないそうだ。

 

僕は今の自分の状況を話した。

時間外は出来ない事を伝えると

それでも、「大丈夫だよ、おいでよ」と行ってくれた。

 

「分かりました、調子が戻ったら電話して伺います。」

「待ってるから、よろしくね!」

 

なんだか、こんなところで・・。

人の縁とはわからないものです。

薬を貰い、家に帰り良く考えた。

「せっかくの御縁。お世話になろう!」と思い

僕の再就職が決まろうとしていた。

 

夜には症状も収まっていた。

やはり、精神的なものと疲れが原因だったのか?と思った。

 

 


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今でも、携帯している薬。

「偏頭痛」には予兆があります。その時に服用するようにしています。

僕にとっては「お守り」です。