2012年2月21日、午前8時30分過ぎに
分娩室から泣き声が聴こえた。
予定より1ヶ月と10日早く帝王切開で産まれた。とても予定日まで母体が耐えられない状況だったからだ。
一人目は1207g(超未熟児)
二人目は1750g(未熟児)
分娩室から出て来た我が子達は、保育器の中に入れられていた。
正直、元気に育つのか不安だった。
口からミルクが飲めないから鼻からチューブで飲む。
点滴で栄養?を採らせてた。
常に心拍数を計測していた。
見ていて、痛々しかった。
子供達よりも一足早く妻が退院した。
妻は毎日、面会に行った。
週末は二人で行った。
面会に行く度に、子供達は成長していた。
やがて鼻のチューブが取れて、口からミルクを飲むようになり、入浴もするようになり、
二番目の子は妻が退院してから一ヶ月後に退院した。
超未熟児の子は更に一ヶ月後に退院した。
そうして、我が家の子育て戦争が始まった。
双子の子育て・・日中は妻一人だったので
本当に大変だったと思う。夜は僕が仕事から
帰るので、出来る事はオムツ交換を除き協力した。ミルクを作って飲ませたり、お風呂に入れたり、二人まとめて抱っこしたものでした。
なるべく妻の負担を少なくするために、家にいる時はいろいろやった。
市の「こども課」に相談して支援も受けた。
しかし、妻の疲れは日々、溜まっていく一方だった。
ある夜、二人の子供が寝ていて
夫婦でテレビを観ていた。
ドラマ「とんび」
このドラマは、事故で奥さんを亡くした
シングルファザーの子育ての物語だ。
観たのが初回で
奥さん(常磐貴子さん)が事故で亡くなってしまう回だった。
妻と二人で観ていた。
二人とも涙を流していた。
ドラマのあと、妻に言った。
「何があっても俺より先に死なないでくれ」
「絶対に守るから、死なないでくれよ!」
と言った。
妻は笑いながら
「大丈夫!、死ぬわけないじゃん!」
と言った。
でも・・・このあと
自分が
あのドラマのような
ことになるとは・・
この時の自分には夢にも思わなかった。